文字はたからもの、言葉は祈り

こどもだけでなく、大人も日々の生活で心がつらくなることもあるでしょう。

 

情報過多な時代に、他人の生活や言動に心ふりまわされ、自分を見失うこともあるはず。

 

そんな時、音楽を聴いたり、自然の中に身をおいたり、体を動かしたり、色々なリフレッシュ方法をみなさんもお持ちのことと思います。

自分を見つめ、対話することで、心が落ち着き、また次の一歩を踏み出すことができる。

新しいアイデアが浮かびすぐにでも行動したくなることもあるかもしれません。

 

私にとってその一番の方法はやはり書くこと。

 


言葉を書くということ

言葉には意味があり、言霊といわれるように力があります。

ただただ無心に、文字の美しさに酔いしれながら言葉を書き留める。

この場合特に言葉の意味は意識しなくても書くという行為だけで呼吸は整い、脳内は自然と整理されます。


いっぽうで本や歌の歌詞、誰かのひとことなど心に響いた、心の琴線に触れた美しい言葉を自分の手で書き留める。

そこにお手本はなくても、その言葉の意味を味わいながら手書きする作業は、心を浄化する作用があり、あとから目にするたびに言葉が心にこだまして、自分の言葉に守られることがあります。


「言の葉カード」と「書コラ」コレクション

そして、これこそが私がこれから最も提案していきたい書の楽しみなのですが、まだおこっていない出来事をイメージが描けるくらい具体的に言語化し、文字化する。

いわゆる夢リスト、願望リスト、目標掲示。

 

せっかくなら美しい文字で季節感あふれる便せんや小さなカードに書き留め心を遊ばせる。

 持ち歩き、たびたび目にし、潜在意識に刻まれることでやがて現実化していく。

 

 

そう仮定して制作した名刺サイズの「言の葉カード」は、小学生や受験を控えた生徒さん、また「夢結び」というイベントに参加された多くの女性に体験いただき、実際に受験に合格した、夢がかなったと嬉しいお知らせをいただいています。

 何より、美しい文字で言葉をつづる一番の効能が自己肯定感を高めるということ。手を動かすという作業が脳にも心にも心地よく、他者から批判されることなく自分に優しく向き合う時間こそが大人の私たちには必要な時間なのであり、書きだすことで自分でも忘れていた幼いころの夢に再会できるかもしれません。言の葉カードをたくさんコレクションして、夢を形にすることの喜びを感じていただきたいと思います。

 

最後に、「文字はたからもの」として扱いたい気持ちの究極の形として作品化したのが、その名も「書コラ」。最小2センチ四方、小さく包まれたこの形状はまるでチョコレートのような宝石のような。ミニチュア好きが高じて書作品までこんなサイズになりましたが、ここに込められた文字への想いはどこまでも大きく、たくさんコレクションして宝石箱にずらりと並べ、白い手袋をつけてご覧いただくイメージを描きながら日々制作しています。